グラレコで、つなぐ

コーディネーター

目指すコーディネーターの心得は、「評価されないこと」

千葉でコーディネーターをしている村田修治さんという方も、不登校だった人なんですが、ものすごく面白くて。「僕は、学校に行かなくて正解だった」と言うのですが、いろんな職業を体験し、独自な活動を展開もされ、ユニークな人生を歩まれています。SNSは持っていないんですが、ネットワーク力がすごく、人をつなぐことに特化されています。

 

昨晩、仲間と一緒に飲んでいたとき、こう話されていました。

「業績や結果はいらない。自分が楽しけりゃいい。逆に、評価されないことが、自分の価値になっている。評価や肩書がついちゃうと、かえって警戒されてしまう。『この人は、どういう目的で近づいてくるのか?』というのが僕にはぜんぜんない。だから、みんな、つながってくれる」って。はぁ~、その域になりたい…。

 

「組織」を背負った「個」は、深くつなげられない

…いえ、組織と組織をつなぐことは、ないですね。つながれなくていいと思っていて。しかし、個と個ならつながれると思っています。ただ、個が組織を背負っちゃうと、無理なんです。「私は、どこの所属のなになにです」と言うと、その所属するところの発言を意識してしまう。自分の本心と違うことを言っていること、あるじゃないですか。そうすると、やはり関係性は深くなっていかない。しかし、個と個がつながれば、組織は変わっていく。コーディネーターの役割は、個人として、個と個の関係性をつないだり、ゆるめてあげたりすることかな。

 

「面白そう」というだけで、つなぐこともあります(笑)。タイミングもある。偶然もすごく楽しいなと。行った先で、「あっ、この人呼んだら面白そう。ちょっと電話をかけてみよう」という、ひらめきみたいなことが結構ある。でも、つなぐことは、人脈に影響を与えるというか、つないだ責任はあるので、慎重にはなりますね。変なつなぎ方はしないようにしようと。

 

足立の30代40代ママが連携し、活気ある子育てエリアを

いろんなエリアで仕事をしますが、やはり地域ごとに特色がありますね。例えば、千葉県我孫子市は、町も小さく人も少ないので、一体感みたいなのは出やすいなぁと。また、年配の方が市民活動を積み重ねてきた地域なので、成熟してますね。シニア世代の層が分厚く、コロナ禍でもぜんぜん負けてない。「じゃぁzoomやろう」みたいな。市政に対して、市民が声を上げて市民運動をしていくという文化があります。

 

地元の足立区は、人が多いところなので、全体で一つになる難しさは感じます。どの地域でも、市民活動は「個」が中心になって単体でまとまる傾向があります。でも、最近、足立区でもそうですが、「個」と「個」がゆるくつながって、一つの場をつくろうとする動きが出ています。実は、「30代40代のつなぐ人の会」というのをやりたかったのですがコロナでできずにいました。この層のママたちは、個々で活動していますが、お互いに助け合わなければと思っている。「ネットワーク」という強固なつながりじゃないんですけど、やれる人は一緒にやろう、お互い応援しながら連携しようと望んでいます。これからですね。

 

つなぐ人って、「越境」がキーワードな気がします。境界を飛び越える、そこの境目に気づかずに動ける人がいい。むしろそうすることで内と外を「混ぜなきゃ危険」というか。そして、今の社会の「評価する・される」という価値観の枠から、本当に出たいんです。はい。

 

(聞き手・ライター上田隆)

 

【資料】

instagram.com/nstyle81

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