足立で、「出張託児」を事業化したい!

託児

ルポvol.17 【託児1】

扇風機がゆるやかに回る、午前の窓辺。畳の部屋のテーブル前に、母子が寄り添って坐る。膝に抱かれた0歳児の男の子は、黒い瞳をじぃと見据えて安らっている。髪の毛が横っちょにはねた3歳の女の子は、はにかんで隣の肩の後ろに隠れる。2人とも「お母さん、大好きなんだぁ…」と思う。

 

「保育士」「母親」としての葛藤からNPOを設立

NPO法人「出張キッズスペースmamato」代表の山岸桃香さんは、4人の子育ての真っ中。子連れでのインタビューを希望されたので、子育てカフェeatoco(代表・阿部直子さん/7月取材)の一室をお借りした。両者とも、足立区NPO活動支援センターの野際里枝さんから紹介いただく。「今、一番注目している人や活動を」と希望してのことだ。

 

常々、幼い子を持つお母さんたちが、実際にどんな悩みや要望を持つのか、ぜひ直接聞いてみたいと思っていた。山岸さんは、まさに適任の人である。保育士、そして母親としての葛藤から、足立区でNPO法人を立ち上げたからだ。

 

お会いすれば、「足立区を、子育てしやすい街にしたい」と意欲的に語るその姿に、力が漲っていた。また、自身の体験から具体的に示された、産後のお母さんが直面する不安やとまとどいは、案外、身近な家族や地域社会が見過ごししてきたことではないかと思う。

 

「子どもを、どう育てたらいいか」。あふれる愛情とバイタリティによって、どんとした気構えを持つ山岸さん。その言葉は陽だまりのようで、今子育てに暗中模索するお母さんの気持ちを、ホッとさせてくれるだろう。

 

(山岸桃香さんへのインタビューは、2020年6月18日、子育てカフェeatocoで行いました)

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