ルポvol.52 【不登校】
「さなぎっ子」の声が聴きたい
さなぎは、一見じっとしている。実は忙しい。心がとっても忙しい。てんやわんやで、「大人」になるための準備を、自分のリズムでやっている。周囲に膜を張って。
不登校児を「さなぎ」と見立てたのは、ドキュメンタリー映画『さなぎ~学校きたくない』(三浦淳子監督)だ。主人公の少女は、自分でもどうしょうもなく「学校」を拒絶してしまう。でも、心配なかった。美しい自然と大親友に恵まれ、のびのびと幸福に育つ様子を、映画は瑞々しく記録。この健康な女の子は、結局「学校」の何が嫌かが、はっきり分からなかった。他の不登校児もそうなのだうか。皮膚感覚で知りたくて、直接、聞いてみた。
保護者とフリースクールの協力で、7名にインタビュー
やはりそれぞれに違う。7名にインタビュー後、質問項目別に束ねて、調査風にまとめようとしたが、すぐに「無理だ」と気づく。どの子たちも魅力的で、本人だからこそ言えることばかり。それで一人ひとりの言葉や思いを丸ごと書いてみた。ただしプライベート保護から匿名に。保護者の方からのコメントがあった場合、許可をいただいた上で、それも添えた。
原稿を書きながら、ふと思い浮かんだことがある。不登校児が受け付けないのは、「学校」という画一的な硬い「時間」ではないかと。「すべて一律に合わせよ」と迫って、子どもの柔らかな心を苦しめる…。
(インタビューは、2024年2月に行った)
<この場を借りて、ご協力いただいた保護者の方、フリースクールの方、そしてインタビューに応じてくれたお子さんたちに感謝申し上げます。>
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