「公民館的」な学びで、地域づくり

教育

ルポvol.24  【教育1】

 

あるオンライン講座で、「公民館構想」について知る。

終戦直後の日本で、当時の文部省公民教育課長が打ち上げたもの。全国に公民館を建て、地域づくりの拠点しようという大ビジョンである。焼野原に立った役所勤めの猛者が、「戦争だの統制だの、もうまっぴらだ。みんなで自由な社会をつくろう!」と、本音を叫ぶ姿が浮かんで、心惹かれた。

 

「学び」の在り方を、「社会教育」の視点から問い直す

講義するのは、「街活性室」スタッフの橋爪晃平さん。

足立区で活躍する、地域づくりのコーディネイターだ。熱量がすごい。明治時代の演壇に立ち、「来るべき社会は…」と語る青年講談師のごとく。高崎経済大学・大学院で「社会教育」を研究し、また3月まで高校の非常勤講師を勤めるなど、「教育」「学び」を広い視野から、身を持って考えてきた人だ。

 

話をうかがううち、「公民館構想」が、「今、自分のやっていることと通じるかも」と思う。「子ども支援」をタイトルに、地域の支援団体、学校、専門家、行政などのキーパーソンにインタビューして回り、細々記事を書いている。その動機とは、書きつないでいけば、人と人がつながって輪ができて、何かが動くかも…という期待だ。平らな広場に、いろんな有志たちに集まってもらい、課題を共有し、各々の力を出し合い、「自分たちの社会」という大樹を芽から育てていく、そんなイメージもある。

 

橋爪さんとは、冊子『インタビュー! 足立の子ども支援』が関係して知り合った。書くことで「動いた」一つの成果である。ところで、そもそも、まちのコーディネイターは黒子に徹するもので、講義などして「教えること」は本来NGだという。ゆえに、この人の立場は、当記事では詳しく示せない。改めてインタビューし、講座の内容を中心に、問いたいところ問い、その先のことも聞き出して文章にした。

 

話題は、専門とされる「社会教育」をベースに、「公民館的」なものへ。これからのまちづくりの柱となる概念となろう。きっと「子ども支援」の土台もつくる。

 

(橋爪晃平さんへのインタビューは、2020年10月8日に行いました)

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