「発達障がい」と出会う

発達障がい

ルポvol.2  【発達障がい 1】

東京未来大学こどもみらい園で、アートを教える?

「発達障がい」の子どもたちと関わるようになったのは、偶然である。

 

収入の助けに、週1回となる東京未来大学こどもみらい園(足立区)のアート講師の職を、たまたま得てからだ。講師といっても、「発達障がい」とされる子どもたちと絵の具を投げ合ったり、大騒ぎで走り回ったり。はた目には「一緒に遊ぶおじさん」に映るだろう。みらい園では、「それでいい」という。講師が持っている技能を、その子に合わせて伝え、学んでもらうというやり方だ。教育法の型はなく、毎回授業を「創っていく」自由さが、自分に合っていて楽しい。

 

この子たちは、人づき合いが苦手らしい。保育園や小学校でのグループ活動がうまくできない。勉強が頭に入らない。しゃべらなかったり、逆に話しすぎたり。付き合ってみれば、みんなそれぞれに良い持ち味がある子どもたちである。むしろ、不器用なところに親近感を持つ。自分も人付き合いが得意ではなく、うまく世渡りしている方ではないからだ。

 

もっとも、お母さん、お父さんは、わが子を深刻に心配されている。その「問題行動」をなんとか改善するため、または何かの能力をぐんと伸ばすために、みらい園に、私に、お子さんを託している。

 

足立区議・長谷川たかこさんの支援体制づくり

「発達障がい」とは、そもそも何か。ふと、本業のライターとしての関心が頭をもたげる。

 

そんな折、別のテーマで足立区議会議員の長谷川たかこさんを取材したところ、発達障がい者の地域における支援体制づくりにかかわられていると聞く。東京23区で初となる「ペアレントメンター事業」の導入を議会で提案し、なんと2016年7月に事業立ち上げに成功。ペアレントメンター事業とは、知的障がいのない発達障害や、知的障がいをあわせ持つ特性がある子どもの親が、同じ立場の親をサポートする活動だ。あれっ、住んでいる地元で、先進的なことが行われてるぞと驚く。この事業を足立区より受託して早速活動を開始したのが、「一般社団法人 ねっとワーキング(ペアレントメンターあだちねっとワーク)」である。

 

では、まず、「発達障がい」を「支援」という観点から調べてみよう。そう思い立って同会の代表理事・日笠よう子さんに話をうかがったのは、昨年2019年10月にさかのぼる。実は、このブログの取材は、ここから始まった。

 

次回は、同会の活動をルポしよう。 (文責/ライター上田隆)

 

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