ペアレント・メンターが、親を支える

発達障がい
子育ての「経験」と「情報」を分かち合う

「ぴあサロン」の方を見学させてもらった。

当日、40代のメンターを、30代のお母さん3人が囲んだ。冷たい麦茶を飲みながら、くつろいだ雰囲気で会話する。傍らで3歳の女の子が、クレヨンでお絵描き。

 

メンターが、最初に自身の息子さんの子育てについての経験談を話す。

学校や先生との関係は、特に切実なテーマである。

「良い関係をつくりつつ、意見はどんどん言いました。私の場合、窓口となっていた副校長に、何気ない会話の中で問題を伝え、改善してもらったことも。先生もやっぱりお『人柄』。ご経験が豊富かどうかだけでもなく、まだ若くても素晴らしい先生もおられました。良い先生に異動されるのがつらかったですね…」。

いじめのようなこともあった。

「息子は多動で奇声を上げてしまうことがあって孤立し、よくからかわれることも。『僕は友だちが欲しい』と、家に帰って1人泣いていました。しかし、いろいろあっても成長。今、28歳となった息子は言います。『小学校の時、人生には理不尽なことがある、ということを学んだ』と」。相談者たちから安堵のような笑い声。「支えれば、乗り越えられる」というメンターの想いが伝わる。

30代の子連れのお母さんは、「最初は、『発達障がい』のわが子に対して『どうすればいいか』とうろたえ、ただ涙を流していました。でも今はとにかく、なにをすべきか勉強しています」と、力強い。その横のお母さんは、「役所から発達障がい支援施設のリストをもらい、1件ずつ状況を調べています。ある施設に、区内のリソースを熟知している方を紹介していただけそうなので、相談してみたい」。今の子育てにおける最前線の情報が行き交う。

「『あなたはシングルだから、子どもが…』という言葉に、とても傷つきました」と、一人親のお母さんが苦し気に話す。メンターは、「『そういうこと言う人もいるのよね』ぐらいの大らかな受け止め方でいいのでは」と微笑む。

メンターの言葉は、あたたかで、逞しい。

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