構想あり!「地域と福祉をつなぐ複合施設」

イベント

 

ルポvol.42 【居場所】

 

ポツンと小さな卵。「大きくなぁ~れ!」と、大人と子どもが声を出して念じれば、巨大な卵に変大身。中から恐竜の赤ちゃんが…。先ほどから最前列で、3歳の女の子が、じぃっと紙芝居を見つめている。もう5、6演目もぶっ通しで読み上げるのは、「キッズサポート」代表の磯部夕子さん。ベルモント公園北側「児童遊園」の一角に敷いたビニールシートに、数組の親子が入れ代わり立ち代わり、絵と声が奏でるファンタジーを楽しんでいく。

 

ベルモント公園北側で偶数月、紙芝居を開催

2023年2月12日、冬の寒気が覆うが、陽射しが温かい午前の1時間半、「公園紙芝居」をたっぷり堪能。小学生以下のお子さんを対象に、偶数月第3土曜日に行う定例行事だという。ベルモント公園との共催となる。

 

「あるとき、小学1、2年の子が、興味津々に近づいて来たので、『読んでみる?』と声をかけたら、『やるっ!』 と読み始めたんです。すると何人も集まって来て、『読む、読む』と。それがもう、可愛くって」と、磯部さんは笑う。子どもたちが楽しめればよく、特にやり方の型は決めてない。席を立って真ん前で見る子、紙芝居の束から「これ、やって」とリクエストする子など、まさにいろいろ。子どもに対して、「ひたむきな人だな」と思う。

 

福祉施設での
福祉の仕事遍歴から、複合施設の構想にたどり着く

磯部さんに「梅島キッズ夏祭り」の活動を取材依頼したのは、もう2年前。しかし、あのコロナ禍が祭を中止に。月日は流れ、2023年1月、ワーカーズコープ主催で、同職員でもある磯部さんが企画されたまちづくり講座を受講する機会あり。その場で、「キッズサポート」の他の活動についてうかがいたいと再び依頼。まず、紙芝居から見学させてもらった。

 

改めてインタビューすれば、磯部さんは地域活動の傍ら、放課後デイサービス、高齢者施設、訪問介護など、福祉の仕事で遍歴を重ねられていたことを知る(4月からは、就労継続支援B型施設であるワーカーズコープ青井の所長に就任)。これまで経験や想いから着想した「複合福祉施設」の企画を話されたときは驚いた。「地域」と「福祉」を結ぶ一大事業である。構想の出発点は、2人のお子さんの子育てからだった。

 

(磯部夕子さんのインタビューは、2023年2月19日、足立区内のレストランにて行った)

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