「なぜ行かない」か、不登校児に聞く

不登校
僕は、インドア派

【Sくん/小学4年生、男の子】

「オンラインなら話してもいい」というSくんは、学校には、小学2年から行ってない。予定の朝10時につながると、照れてしまうのか、顔を隠したままでと。すごく眠そう。母Nさんは「”オール” (寝ていない)みたいで。ふだんは夜起きて、昼寝る生活なんです」と話す。それでも、「なぜ、学校に行かないのか?」と本人に聞いてみる。「分からない。そんな情報を持ってない。僕は特例なので…」との答え。あまりに眠そうなので「また、今度にしようか」と、こちらから呼びかけて中断。

 

10分後、「もう一度、話したいそうです」と母Nさんから連絡が。「ごはんを食べたら、元気が出た」とのこと。伝えたいことがある、という意志を感じて嬉しくなる。

 

「お母さんが焼いてくれたバターロールを食べた」という声は、さっきと違って明るく張りがある。

「家では、ゲームをやっては寝る、という感じ。やはり退屈はする。興味あることは特にない。友だちとは、オンラインでやり取り。その子たちも不登校。会って遊ぶことはない。家では、お姉ちゃんと大昔にトランプとかはしたかな。

なぜ自分が学校へ行かなくなったかは、分からない。ただただ、めんどくさくなった。学校は拘束時間が長いのが嫌なのもあるけど、それがすべてではない。僕は『インドア派』だから。

でも、学校には、毎週1日、給食だけ個室に食べに行く。専属の先生がそばにいる。楽しいか?…ふつう。漢字は書けないけれど読める。本はあまり読まない。アニメを見るのは好き」。

 

後でメールにて、母Nさんから補足あり。

「隣で少し聞いてましたが、 本人としては、今の生活に苦しさはないんだなぁと思いました。取り繕うこともないし、それはそれでいいのかなとも。映画は好きなので、昨日もレイトショーに行ったり。Amazonプライムやオンライン映画はよく見ます。色々やってあげた方がいいかなと思って連れ出したりするのですが、あまりのり気じゃないんですよね。やっぱり親としては悩むところです」。

 

ランドセルでスパーリングの練習

【Kくん/小学6年生、男の子】

16時、ファーストフード店にて、母Sさんの同席で、Kくんにインタビュー。支援施設で算数の九九を習った後に、来てくれたという。週1回は家庭教師から計算を習うそうだ。少年らしい少々ぶっきらぼうな率直さで、質問にズバリ回答。

 

「学校は2年の終わり、3年以降は行ってない。行けなくなった理由は、よく分からない。学校の先生は好き。今、学校のオンライン授業で、国語、算数、社会を習ってる。社会が好き。第二次世界大戦かとか、戦争のことが面白い。学校には行かなくちゃという気持ちはあるけど、やっぱり行きたくない。

 

中2のお兄ちゃんの友だちとよく遊ぶ。鬼ごっことか。家にずっといても退屈はしない。僕は、バチバチの『インドア派』だから。(「あら、体を動かすのが好きじゃない?」と母Sさんがつっこむと)う~ん、『インドア』と『アウトドア』の中間かな。ボクシングが好きで、ランドセルに毎日スパーリングしてる(母Sさん曰く、「喧嘩で負けたお兄ちゃんへのリベンジのため、鍛えているそうです」)。早くバイクに乗りたい。免許がとれるまであと4年?

将来はプロゲーマーになりたいな。毎日1時間ほど『フォートナイト』(バトルゲーム)をやっている。『マインクラフト』(画面中のブロックで建築物を作成)も好き」。

 

「学校の好きな所は?」と聞くと、即答で「ない!」とのこと。

 

母Sさんは、家での様子も語ってくれた。

「部屋中、落書きがすごいが、好きにさせている。一畳ほどもあるホワイトボードを入れたら、それを超えて落書きしてしまった。きょうだい喧嘩が凄まじい。小1の女の子が一番の暴れん坊(笑)」。

学校での印象深いエピソードも。「この子を授業の途中に迎えに行ったら、教室の子どもたちみんなが、『いいなぁ~』って声を上げたんです。『楽しくない学校って、なんだろう?』と、そのとき思いました」。

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