「子どもの人権」への意識は、まだまだこれから
生活者ネットワークでは、 発足以来40数年、ずっと子育てのことをやっています。地域のお母さんたちと共に、子どもの暮らす環境、教育など、さまざまなテーマに取り組んできました。私も議員の立場だけでなく、子育て中の親としても、ここで勉強しつつ活動しています。
葛飾区では、現在、「(仮称)葛飾区子どもの権利条約」の策定が行われています。葛飾区のことではなく、都内のいくつかの自治体でのことですが、「子どもに権利を与えると、子どもがわがままになる」「子どもに意見を聞く必要ない」などの意見を持ち、子どもの権利条約に反対する大人(議員を含む)が未だにいるといいます。本当に驚きました。
先日も、進路指導で教員に「これでは行ける高校がない」と言われ、悩む中学生の話をうかがいました。教育現場で、そんなことを言うのはあり得ない。能力を伸ばし育まれるべき子どもの権利をまったく分かっていない。私自身もっと学んで、子どもの権利が大切にされる地域づくりを進めていきたいです。
「不登校」を選択される学校教育こそ見直すべき
議会で問題提起したいことがあるのですが、子どもへ一律に宿題を出すのはおかしいのではと。一人ひとり分からないことが違うからです。
昨日、調布市で不登校支援をしている「はしうち教室」(調布市立第七中学校不登校特例校分教室)を視察しました。不登校で何もする気にならず、ずっと家にこもっていた子が、回復過程で「少し学校に行ってみよう」となったときに、生き生き学べるところなんです。画期的なのは、一人ひとりの興味や学習状況に対応した個別学習・少人数学級・演劇などを取り入れていること。自己表現を促し、自己肯定感を高めるプログラムなど、本当に素晴らしい取り組みです。聞けば聞くほど、「不登校にかかわらず、どの子にも必要なことなんじゃないか」と思いました。
医療・介護の現場では、高齢者の方のご病気や障害の現れ方が、みなさんそれぞれ違う。そこを見極めて、「この人に何が必要だろうか?」と考えるのはごく当たり前のことです。だけど子どもたちの通う学校は、同じ時間、同じ場所に子どもたちを集めて、一斉に同じ授業をする、同じ宿題が出る。なぜそれが見直されないのか、とても不思議なのです。
不登校になった子を再び学校に戻すようなサポートというより、多くの子どもたちが不登校を選択してしまう学校教育そのものを変えて行く時代ではないでしょうか。
市民・生活者の声を、政治に届けるために
従来の枠の中、政治家ばかりで話をしていても、政治が市民・生活者のことではなくなってしまう。私たちのような議員が、もっと増えたらなと思います。いろんな人に政治に関心を持ってもらいたいし、参加してほしい。
議員になる前ですが、生活クラブ仲間の双子を抱えるお母さんたちが、署名を集め「多胎児支援を充実してほしい」という請願を葛飾区議会に提出。なんと要望が実現したんです。声を上げたからこそ、意見は通ります。諦めてはいけない。
毎月10日、この事務所で、「なんでも相談会」を開いています。事務所前のポスター、SNSでの告知や、ポスティングした私のレポートを見て、いろんな人が訪問。最近、子どもが小さかったときのママ友が来てくださり、「最近、在宅介護に悩んでるんだけど…こんなの聞いていいの?」と尋ねます。答えは「もちろん!」。だんだんと相談される方が増え、細々とでも、やり続けることに意義があるんだなぁと思いました。
今も支えてくれる父の言葉
父は、もう亡くなりましたが、今も生前の姿が目に浮かびます。早期退職して宮大工さんに木工を学び、木のオリジナルおもちゃをつくっては、地域の子どもたちに遊んでもらったり、子どもの施設にプレゼントしたり。パーキソン病で体不自由だったものですから、散歩途中に休めるよう街にベンチを増やす活動も。晩年は脳梗塞でフルコースの在宅介護を受けました…。
ずっと胸に残っている言葉があります。「人生って、自分で切り開いて決めて、毎日歩んでるって、貴子は思ってるだろうけど違う。奢った気持ちで行くもんじゃない。何か大きな力の中で自分は生かされている。その力に身を任せなさい」。
いろいろなことありましたが、結果的にはそれなりに育ちました。振り返れば、父の言うこと、そんなに間違っていないかな(笑)。
(聞き手・ライター上田隆)
<問合せ>
葛飾・生活者ネットワーク
〒125-0054 葛飾区高砂8-21-1
TEL:03-5876-4757 FAX: 03-5876-4758
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<告知>
なんでも相談会
【日】
毎月10日
【時間】
10:00~12:00
【場所】
葛飾・生活者ネットワーク事務所
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