「発達したい」。だから、不登校

不登校
お母さんたちに、子どもの体つくる「食」の大切さ伝え

夫は、治療家として、鍼灸師と柔整師(柔道整腹師/接骨医院の先生)をやっています。2019年、夫婦で、「予防医学専門HALe」を起業し、北千住に店舗を構えました。でも、コロナ禍で経営が厳しくなり、そこは閉鎖。夫の方は、仕事をご高齢の方の往診1本に。会社はコロナ前に始めていたオンライン形式のみとし、私が引き継ぎました。予防医学の腸活の講座をやっていて、受講の申し込みがありまして。妊活の相談もよく受けます。

 

2020年、オンラインで、NPO「子供の食と発育を考える会あいりす」を設立。成長中の子どもに、最も必要な「食」は何かを、お母さんたちにお伝えしていくのが目的でした。「人は、『食』からしか、健康的な体をつくれない」ということは、偏食に悩んだ私が、痛感すること。また、看護師としても、患者さんが「食」で「病気」をつくっていくことを、目の当たりにしてきました。子どもは、まさに体をつくっている段階なので、食べる物に気を使う必要があるんです。食品メーカーは、ビジネスですから、子どもの成長までは考えてくれない。特に加工品は食べないようにおススメしています。きっとこの活動によって、母が療養中の私にしてくれたことを、自ずと継承しているかもしれません。

 

わが子の病気から薬物治療でない「東洋医学」を学ぶ

実は、「子どもの食」に関心を持つ直接のきっかけになったのは、わが子の1人の病気からです。4人目を妊娠中の時で、発熱、中耳炎、発疹、皮膚トラブルなど、いろんな症状が出ました。当時、私の知識が浅かったこと、また看護師だったこともあり、子どもに薬を飲ませることに抵抗がなかったんです。合わなかったら次の薬、というのを長期間やっていました。でも、何かおかしいなと思い始めて。

 

クリニックで看護師を勤めながら、予防医学を学ぶために、学校に通い始めたんです。これまで学んできた西洋医学の常識とはちょっと違うなと。「対処療法」より、東洋医学の「根本治療」を知りたいと思ったんです。夫の専門は後者なので、面白いとは感じていましたが、ずっとうさん臭いと思っていた(笑)。でも、試してみたら成果が出て、「薬じゃなくても治るんだ!」と驚いて。安易に薬を使うのが、体にとって、どれほどリスクがあるのかということを、わが子を通じて教えてもらったんです。

 

前にも申しましたが、「あいりす」は活動内容の幅を広げています。さらに、佐久間久美子さんが代表を務める「虹色応援プロジェクト」と統合し、「あるこいりすArco-iris」という不登校児のサポート団体として、法人化を目指しているところです。そこでも、「食」支援は、大切な活動の一つに。

 

マズローのいう「生理的欲求」が見落とされている

今、「あいりす」「あるこいりす」として、足立区の「子ども版地域包括センター」設立にかかわっています(vol.41 長谷川たかこさんの記事で詳述)。そこでは、「子どもには安易に薬を飲ませない」ことも提言していきたいなと。

 

学校の先生、スクールカウンセラーさんも、子どもたちの「生理的欲求」に関する情報や知見をすっ飛ばしている。「マズローの欲求5段階説」というのがあります。下から、「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」と5段階のピラミッドに。一番下の層である「生理的欲求」がないがしろにされています。循環、呼吸、食など、生存を成り立たせる機能があるこの層を、大人がきちんとアセスメントしないと。摂取すべき栄養素を正しく取らせ、子どもを健康にすれば、薬を飲ませる必要がなくなる。体が整ってはじめて、上層の「自己実現」に向かえます。

 

自分たちが求める「発達の場」を、みんなでつくっていく

付き添い登校しているうちの子は、元々勉強が大好きなんです。ずっと本を読んだり、自分で「学研教室」を見つけて行ってみたり。あまり根をつめるので、こちらはかえって「無理に勉強しなくていいよ」と心配しますが、「どうしてもやりたい」と聞かない。小学校低学年のときは、パテシェを目指してケーキをつくってきましたが、高学年になってシフトチェンジしたようです。「植物が好きなので、葉っぱの研究をする科学者になりたい」と。地味ですよね。同時に、「自分の経験を活かして、薬を使わない保育園をつくりたい(私の子だなぁ)」と。それには「上の学校に行かなければならず、学科で点数を取る必要がある。だから、勉強したい」。そこまでプレゼンしてくれたので、私も「じゃあ、応援するよ」と。

 

実際に保育園を経営している方にOKいただいて、うちの子だけじゃなく、「あいりす」の子どもたちみんなで社会見学に行かせてもらってもいい。子どもたちのそれぞれの夢を、今後、私たちの会で応援できればいいなと。

 

子どもたちが、本当に発達する場所として、学校が変わるのを待ってはいられません。だったら、自分たちでどんどんつくっていけばいい。制度の変革とか考えてしまうと、たくさんの障害が現れ、結局何もできなくなる。先に理想を決めて、どうしたらそれが実現できるか逆算し、やるべきことに、みんなで向かっていく方が早いですよね。

 

地域づくりは、子どもたちの声を聴いてこそ

「あいりす」に来る子どもたちは、外国ルーツの子がすごく多い。むしろ、日本人の方が少数で、「外国人」みたいに。外国ルーツの子どもたちは、5、6カ国も話せる子もいたり、優秀なんです。でも、たいていどの子も「本当に、参加していいですか?」と、最初に尋ねてきます。よくよく聞けば、いまだに差別が根付いていると感じてしまう。「外国人なんだから、うちの猫を触らないでよ」と、大人に言われたことがあるという子も。見えないところで、子どもたちが傷ついている。

 

異なる文化に興味を持ち、互いに学び合うことも、子どもの心を大いに育てます。これからの社会にとっても大事なこと。そこで、「みんなで食材を持ち寄って、自分のルーツの『お国料理』をつくろうよ」と、呼びかけています。コロナ禍が収まれば、企画したいなと。

 

地域づくりには、子どもの存在が大切だと思っています。しかし、いつも子どもは参加できず、大人だけの意見でものごとが決められる。住んでいる地域、この足立区を盛り上げていくには、子どもたちの声を聴くのが1番。課題も解決策も、そこにあるからです。私にできる最大のことは、実際に聴いてきた子どもたちの声を、社会に届けることかもしれません。

 

(聞き手・ライター上田隆)

 

<問合せ>

足立区 親子のサポーター「あるこいりす Arco-iris」

e-mail : nijiiroouen.project2020@gmail.com

 

 

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