ルポvol.60 【連携】
はや、5年。足立区を中心に、子ども支援にかかわる魅力的な人たちを細々取材し続け、たくさんの出会いと学びを得た。ただ、もどかしく思うことがある。支援団体同士が、もっと盛んに連携できないのかと。もちろん個々の結びつきはある。活動される人たち自身が、ネットワークの要のような存在だからだ。そのつながりをもっと効果的に促す「システム」が生まれれば、さらに強力な支援体制ができるのではないか。すると元々、子育て支援のポテンシャルの高いこの区は、全国でも有数の先進地区になるはず、という考えが胸に浮かんでしかたない。
「あやセンターぐるぐる」で打ち上がった構想
その小さな「芽」が、足立の大地に、ふっと頭をもたげた。2024年12月11日、「あやセンターぐるぐる」(綾瀬4丁目)でのイベント(SKIPコラボフェスタvol.1「不登校児が地域で埋もれないように」)にて宣言された「民間版こども家庭センター」の構想だ。足立区内の民間の子育て支援団体が連携し、子育て世代や子どもの相談支援を一体的に行うというもの。今、国が市区町村に設立を推進している「こども家庭センター」を、民間でつくってしまうというわけだ。
主催者は、「Stand by Kids&Parents(略称:SKIP)」。足立区で子育てをする保護者を応援しようという団体だ。その会名には、「親子に寄り添う」という意味が込められている。「生活困窮」に取り組む「一般社団法人チョイふる」代表理事・栗野泰成さん、「発達障害」の「株式会社ひいらぎ」代表取締役・茂呂史生さん、「医療ケア」の「社会福祉法人Social Development Japan」理事長・矢部弘司さんが、タッグを組んで設立。SKIPでは、お子さんや家庭のことについて、彼らが各々テーマとする問題はもちろん、さまざまな相談をLINEにて無料で受け付けている。
足立区内の子ども支援団体よ、連携を!
現在、「民間版こども家庭センター」構想を実現させるためにSKIPは、足立区内の子ども支援にかかわるあらゆる団体・専門家の垣根を超えた連携を呼びかけている。今回、SKIPへの取材記事は、同構想の「押しかけ応援」。足立区内の子ども支援団体関係者や専門家に多く読んでいただければと思う。もちろん、区内外の一般市民の方にも。
(栗野泰成さんと茂呂史生さんのインタビューは、2025年1月29日、「ふらっと・とーと」にて行った)
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