実の子じゃない子育て、「困ってる」と言っていい

里親・中途養育者
支援者と「つながれない」養育者

でも、いざ行政や専門機関に助けを求めても、その声が拾われないケースが多々ある。

 

目黒の虐待事件も同じ。

義理の父・雄大は、妻・優里に対して、彼女の連れ子の結愛ちゃんに「カロリーを減らして、モデル体形にしなくちゃいけない」と命じます。優里は、夫に嫌われたくないばかりにそれに従い、「食べさせつつ、カロリーを減らしたい」とあせる。この本には何も書いていませんが、優里は発達障がいだと思います。文章的にもそう。

 

彼女は、栄養失調で瘠せた具合の悪い結愛ちゃんを連れて病院に行き、医師に尋ねる。娘の食事として「ご飯に、コンニャク混ぜて炊いてもいいですか?」と。医師は、質問の意図を詳しく聞かず、「栄養士の指導を仰ぐように」と答える。彼女にすれば、深刻な話題を一生懸命伝えているのだけど、伝わらない。「カロリーがとれないからコンニャクを入れれば、娘は、お腹いっぱいになれるのだろうか?」という、切実なことを聞いているのに。

 

専門家は「神様」じゃない。すべて理解し、解決してくれることを期待するのは無理です。

 

私が最初に姪を連れて行った病院では、診察してくれましたが、なんにもしてくれない。なんにもしてくれないだけでなく、「ちゃんと育てないと!」などと、怒られてしまう。少なくとも、私は身寄りのない子を引き取り、身の回りの世話をしているけど、どうすれば良いのかよく判らないから聞いているのに、なぜ怒られなくてはいけないのか、と思いました。

 

「中途養育者の支援」を背負って歩く

行政や専門家との関係が一端切れてそのままにしておくと、問題がさらに悪化する。にもかかわらず、つながれない。つながりたいのだけど、「ここはだめ」「あそこもだめ」となってくると、結局どんどん孤立する。そして、悲劇が起こる。

あるとき里親会の先輩に「当事者であるおまえがやんなきゃダメだ」と言われました。その際に「いや、私はそんなに困ってないんで、深刻な問題に対応ができるかどうか」と返事をすると、「困ってないやつは、困っているやつを虐げてるんだよ」と返され…。

 

「中途養育者サポートネット」月に一回、「ゆる育カフェ」を開催しています。中途養育者同志が、ただ集まって語り合う「ゆるやかな」ものです。しかしここ数年、活発に動いてるわけではありません。やる気をなくす原因というか、隠してはいけないと思うんだけど、隠している事がある。それが、私のモチベーションをどんどん下げている…と、いうのを言い訳にして、何もしていない。

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