「全力子ども」のエネルギーが爆発する舞台

アート

卒業生は「中学生エンタメ部」、お母さんたちは「〇〇部」を結成

今、「ほしかぜ」を卒業した中学生たちで、「ほしかぜ学園エンタメ部」をつくって活動しています。「やめたくないから」って、可愛いですよね。グループ名も自分たちで考えました。中学生にもなると、編集も撮影も自分でできる。さっそく、足立区関連の2つの事業に、中学生2人がボランティアスタッフとして来てくれたんですよ(「ほしかぜ」が講師を勤めた『なりきりYouTuberで自己紹介チャンネルづくり』(足立区生涯学習センター主催)、そして

伊勢さんが講師となる動画作成講座『足立の魅力を動画で発信!』 (足立区NPO活動支援センター主催)。もうねぇ、大人より、いい動きするんですよ。舞台をつくる経験をしていると、状況を見て、何をすればいいかと判断力がつくようになる。すごく良い人材を育てたなと思いまして。

 

お母さんたちも活躍してくれてます。みなさん、さまざまなスキルを隠し持っていて、10人集まったら会社ができるなと。私の無茶ぶりを拾い集めて、いろんなことをやってくれます。ロビーに「異世界ゲートがあったらなぁ…」と私がぼやいたら、「ゲート開通部」が即座に来上がる。 知らない間に「物販チーム」が立ち上がって、いろんなグッズが制作されてる。昨日も、「衣装直し部」が結成されていて、舞台で子どもが早く着替えやすい衣装に仕立て直している。本当にありがたいです。子どもをお父さんに預けて、キャッキャして。まるで学生に戻って文化祭前のよう。楽しいのでしょうね。そして公演では、だいたい涙腺が崩壊してます、お母さんたちは(笑)。

 

プロにはない、生のエネルギーを「表現」に高めていく

舞台においては、子どもと大人に質的な違いはありません。あるとすれば、子どもは、舞台を走り回ってしまう体力と、がーっと外れてしまう興奮かな。あれは大人にはないので。むしろ違いといえば、プロと素人ということ。

 

子どもを養成所のようにプロとして育成するなら、もっと専門的なことを基礎から教えなければいけません。滑舌が悪ければ直します。でも、ここではそうしません。滑舌が悪い方が面白ければ、そのまま行かせちゃう。子どものエネルギーの塊をありのまま舞台に乗せ、プロの大人が支えて「表現」に高める。全体としてクオリティの高い作品に仕上げます。その魅力は、プロの劇団にはないものです。例えば、オープニングの歌が超音痴だったりする。でも、お客さんは涙を流す。役者が、自分の子どもでなくてもです。プロでは出せないひたむきさ、もう爆発しそうな生のエネルギーがそこにある。むき出しなんですけど、恥ずかしげもなく、自信を持って立つ姿がある…。

 

子どもたちは、舞台を通して、自分のいろんな可能性を見付けます。これをきっかけに、表現の世界を突き詰めていいと思いますし、もちちろん違う道に行ってもいい。別の世界で、最高に輝いてくれたらいい。

 

何をやっても、ありのまま受け入れられる場

…いじめですか。ここでは絶対、起きたりしないですね。意識することもないぐらい。集団として、舞台の成功という一つの目標に向かってるので、いじめをやってても意味がないというのは、どの子も分かっているのでしょう。

 

毎回、公演直前に「心構え」を配っています。舞台に参加する子たちにしか配らない秘伝書です。「『板の上ではみんな平等』の精神で!」「愛のある笑いを!」「感謝の気持ちを忘れない!」… など9条あり、全員で読み上げる。

 

「ほしかぜ」では、安心して何をやっても、みんな受け止めてくれるというのが根本にある。学校などでつらいことがあっても、稽古場に来れば安心するそうです。だからか、伊勢さんと私の『本番前トークライブ』を見た子どもたちに、ちょっとたしなめられました。「KAEDEさんは、『みんな仲間です』って言ったけど、違うよ、『ファミリー』だよ!!」って。

 

(撮影時、KAEDEさん、膝に抱いたちゅんちゃんの顔を覗き込み、「最近人見知りかなって心配したけど…笑ってる、笑ってるねぇ」)。

 

(聞き手・ライター上田隆)

 

 

<問合せ>

一般社団法人 ほしかぜ

足立区NPO活動支援センター内ほしかぜ宛

〒123-0851

東京都足立区梅田7丁目13−1

キッズパフォーマンス集団ほしかぜ
The expression is infinite.

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